ビジネスメールを略す行為に憤慨している
略語というものがある。
「略しても意味は通じるんだから省略しちゃおうぜ」という怠惰な意思のもと作られた言葉たちだ。
『スマートフォン』を『スマホ』、『高等学校』を『高校』、『ハリーポッター』を『ハリポタ』など、主に名詞を略しているのが一般的な略語といえるだろう。
仕事柄メールを受け取ることが多いのだが、最近人知れず憤慨していることがある。
『案件について、ご確認いただきたく。』
これは取引先からのメールだが、本文が『いただきたく』で終わっていることに憤慨している。
「いただきたく、何??」と小一時間ほど問い詰めたい。
普通に考えれば『いただきたく』の続きとしては『お願いします』だとか『連絡しました』だろう。
この人が普段の会話でも文末は端折る主義なら納得できる。
朝出社したときには「おはようござ。」
案件のステータスを尋ねられたときには「その件について協議した結果、対応致し。」
忘年会の場の挨拶では「今年!」
だがそんなわけはないのだ。
他には『取り急ぎご返信まで。』というパターンもある。
「ご返信まで、何??」と(略)
最後まで文章を書かないことで「文章を書く暇もないくらいに急いでいる状況」を表現しているのかもしれない。
だがそんなわけはないのだ。
「かしこまった文章を送るべきだ!」などと前時代的な考えは持っていないが、
まるでトイレットペーパーを最後20cmだけ残されたような「そこまでするなら最後までやってくれよ!」というモヤモヤっとした気持ちになってしまう。
これは個人的な感覚だが、冒頭で略語には名詞が多いと述べたように、名詞以外を略すのは違和感しかない。
これはもう、大学生の使う「とりま(とりあえずまあ)」とか
「なるはやで(なるべく早めで)」と同じレベルだと思う。
対抗してメールの返信には
『平素よりおせなり。
ご依頼いただきました件について、しょ。
確認が取れ次第、おれん。
大変お手数をお掛けおね。
(平素よりお世話になっております。
ご依頼いただきました件について、承知いたしました。
確認が取れ次第、追ってご連絡致します。
大変お手数をお掛けいたしますが、宜しくお願い致します。)
と差しあげたいのだが、
いち社会人としてギリギリのところで踏みとどまっている次第であります。